少々挑戦的なタイトルだが、決して大げさな話ではない。
今も大手ナンバーワンである某塾の現実の姿なのである。
私はその昔、その大手塾の「事務方」にいた。
講師ではなく事務方に居たからこそ、その仕組みと実態を冷静に見届けることができたのかもしれない。
当時、その塾は関西で独り勝ちの状態であった。
あれよあれよという間に巨大化し、その圧倒的な生徒数による競争システムを作り上げてしまった。
端的に言うなら「大手塾が本当に大手だった」時期である。
本部教室はどの教室もほぼ満席。
答案返却の際には、相当の時間がかかったものだ。
“本部教室”は6年生だけで20クラスをゆうに超えていた。
生徒だけではなく講師もダブルチェックの号令の下、常に激しい競争の中に置かれた。
「篩(ふるい)にかけ、落とす。」これがこのシステム真骨頂であった。
そして目的はただ一つ!「灘合格」だ。
そのピラミッドの頂点であるトップ層の子達をいかに多く灘に合格させるか…その一点に集中した組織なのだった。
■ 大手の看板、しかし実態は…
あれから随分と月日は流れ、その学園以外の塾も「大手」と呼ばれ君臨している。
が、そのトップの座に今も居座り続けている学園の実態は私が居た頃の姿とは大違いである。
その“大手”に通いながら、当塾にサポートを求めて通ってくる塾生が居た。
いつも疲れ切って、まるで覇気がない。
「宿題は済んだ?」
「まだ。」
「あとどれくらい?」
「わからない…。」
「どこからどこまで?」
「わからない…。」
「間に合わないやん!」
「そしたら答えを写して持って行く…。」
これ、実話である。しかも一人の子ではなく、複数の子が似たり寄ったりの状態だった。
かつてはフロアを埋め尽くすほどの生徒数を誇ったこの学園。
いまでは半減に近い数になっている。
それはちょっと考えたらすぐわかる理屈である。それほど中学受験のマーケットは変わっていない。
で、あの頃は一強しかなかったが、今や4つも5つもの“大手”があるのだ。
学校が増えたわけでも、子供が増えたわけでもない。
いわゆる経済用語としての“業界大手”の数社なのである。
これが元は一つに集約していた子供を取り合いし、分かれているのである。
■ スケールメリットが消えた塾の悲劇
するとどんなことが起こるのか?
実に簡単な理屈である。
スケールが小さくなったのだから、メリットはなくなったのである。
サボっても下のクラスがないので“落ちようがない”…だったり、
いくら頑張っても、上のクラスとはワンランク以上の開きがあって“上がらない”…というのだ。
だからやる気も出ないし、負けん気も発揮しようがない。
ただ、たくさんさせられてしんどいだけ。
だから答えを写して先生に提出するのだとその子は言った。
大手塾の最大の武器であった「切磋琢磨する競争原理」が全く機能していない。
いや、正確にはある層より上のクラスにはまだ効き目がある。
が、ズバと言えば、一番上の層、中間層、そして下位層、そこに居る子には“効き目”のないシステムになってしまっている。
元々あの塾のシステムはすべて灘合格のために設計されているのだから、その下の層には負担が大きすぎて効き目がないのである。中堅校に行くのに、あの塾は不向きである。
でも、“大いなるドリーム”に取りつかれ、なかなか伸びなくても、いつかは必ず…!と思っている間に6年夏がくる。その手前でこう言われる。
「塾内の偏差値が超えていないと志望校別の〇〇クラスは受講できません」と。
つまるところ国立大学に将来入学したいのならば、何も灘に行く必要はない。
いや、いける力があるなら行けばいいのだが、初めから“灘志望”で塾に入るから後がしんどくなるのである。そして、学年が上がるのとは逆に志望校のランクは下がっていく。
そういう子供達の親御さんから当塾にリクエストが来る。
「〇〇中コースに入れないので偏差値あげてください!」と。
なんとお応えしていいか呆然としてしまうのである。
令和元年に今のKuma塾を開講した当初はそういうリクエストにも応えたが、今はもうお断りすることにしている。
そういう子達、もっと手前で軌道を修正してあげたらまた違った道が開けたはずだ。
そして変な癖もつかなかったことだろう。
一つ言い忘れていた!
大手数社の塾は、その一強だった塾のシステムを大なり小なり(いやほとんどは大なり)真似ています。
つまりどの塾もそこに通う子の親も、真に大手ではないのに間違った思い込みをして夢を見ているのです。
可哀想なのは子供です。
■ 「勉強しすぎて馬鹿になった」子どもたちの末路
必要以上に長時間勉強させる。
必要以上にたくさん課題をさせる。
しんどいですよね。すると子供達は自己防衛能力を発揮し出します。
たくさんさせると、手を抜くようになる。
考えるのを放棄し、答えを覚えようとする。
答えを見て、宿題を済ませる。
そして偏差値とクラスの上下には執着する。
最終的には、前向きな勉強をしなくなる――。
これこそが、私達塾仲間が半分ジョーク、半分本音で呼ぶ、「勉強しすぎて馬鹿になった」状態の正体です。
一度この負のスパイラルに入って雪だるま式に膨んだ意識は、子供の力では抜け出せません。
恐ろしいことに、これが私立中学の不登校に繋がっていくのです。
正直に申し上げると、こんな状態の小学6年生に、「今から転塾して間に合いますか?」と駆け込まれても、手遅れです。崩壊したメンタルと荒れ果てた学習習慣をわずか数ヶ月で立て直すのは、どうやっても不可能ですし、まともな結果など残せません。
だから、まだ引き返せる小4・小5の保護者の方に、早く目を覚ましていただきたい。
背伸びした難関校指向、今や機能していない無理なシステムに我が子を乗せて、すり潰してしまう前に、今すぐ軌道修正をするべきです。
我が子の笑顔、消えていませんか?
Kuma塾はいつでもご相談をお受けします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます! 🐻・「うちの子、今の勉強ペースで大丈夫かな?」・「大手塾のやり方が合っていないのでは?」そんなお悩みはありませんか?
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