【中学受験】余事象!?

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「余事象」という言葉をご存知だろうか。
簡単に言えば、「起こり得る事象を数えるのではなく、起こらない方を数える」という手法である。

実はこれ、中学受験の算数を劇的にラクにする最強の武器なのだ。

場合の数の問題に、こんな問題が出てくる。

「4色から3色を選ぶ方法は何通りあるか?」

大概の子供は当然、このまま数え始める。ま、簡単なので答えは合う。
だが、ここで私はこう声をかける。

「これね、事象が裏の二面あってね…4色から3色を選ぶということは、選ばない1色を決めるのと同じことだよね?」

こう言ってあげた瞬間、パッと表情が明るくなる子はきっと伸びる。
これこそが、場合の数でいう「余事象(よじしょう)」という考え方だ。正面からぶつかるのではない。クルッと裏側に回り込んで簡単な方から取り崩すのである。

算数の授業で、私がよく言うセリフがある。
「上手に手を抜け!」だ。

すかさず、「でもな、手を抜くためには、もっと手(試行錯誤)を使わないとだめだよ」と合わせ技で伝える。

まるで禅問答みたいだが、これこそが世間で言う「工夫」というやつだ。ただ「工夫しなさい」と言ったところで、子供達は絶対に手を動かさない。

そして、その工夫を会得しようとするならば、自分で試行錯誤する時間が必要だ。
間違うことを恐れずに、式や図をいじくりまわす必要がある。

しかし、親はこれを極度に嫌う。
「時間の無駄である」と。それでは、入試の時に時間が足らない…

本当にそうだろうか。

熱心な親ほど、よかれと思って子供にこんな言葉を浴びせてしまう。

「速くしなさい!」(早く、ではなくスピードの要求)

「もっとたくさん解きなさい!」

「間違ったら何度でも解きなおしなさい!」

ここで少し立ち止まって、考えてみてほしい。
ご自分の子育ての方針、受験への軌道、少しずれてしまってないか?と。

こういうセリフを吐いてしまう最大の原因は、親自身が「間違うこと」に恐怖すら感じていることにある。

その考えは、明確に間違っている。
むしろ、子供の「間違った解法」こそが宝物なのだ。

間違いを消しゴムで“なかったこと”にしてはいけない。それは子供が必死に頭を動かした証拠をドブに捨てるようなものだ。

赤で囲って、保存すべきである。

ただし、どこで、どう間違えたのか。

親が無理やり正解を書き込ませるのではない。子供自身が「訂正」を入れた上で保存するべきなのだ。

お子さんに、間違った勉強の方法を強要していないだろうか。
目先の点数やスピードに追われ、本当に必要な「試行錯誤する時間」を奪っていないだろうか。

子供の間違いを許容し、その中にある「宝物」を一緒に見つけていく。
それこそが、親御さんに体得してほしい本当の「見守り」なのだ。

あ!ついでに言うなら…

「自分で解けるまでずっと考えろ!」というのも単に無駄で、最も間違った指導法だ。

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