ノートってどうなの?何も書かないノートときれいすぎるノートの狭間を考える
塾講師にとって、子供たちにどのようにノート指導をするか…これは大きな問題だ。
ノートを取らなければ学習効果は上がらないし、「ちゃんと指導しているのか」とご家庭では心配になることだろう。
ところが、実際問題としてノートを書かせるととても時間がかかってしまう。 授業の進行が止まってしまうのが現実だ。
■ 授業時間が削られる「ノート書き」のジレンマ
塾の講義のひとコマを60分として、算数なら10問できるかどうか微妙なところである。 問題文を読み、考え、解法を解説する。 この時、板書を写すことになるのだが…。 ここがスムーズにできないケースが増えていると感じている。
そして、時間を取って写した板書。果たして「活用」しているんだろうかと疑問に思うわけである。 トークとしては「ノートはきれいに!」となる。 だが、きれいに書いていたのではどんどん演習時間が減っていくというジレンマを抱えているわけだ。
■ きれいなノートの罠:「思考」が止まる子供たち さらに。 ノートを書いている子供達を見ていると、「思考が止まっている」ように私には見えるのである。 昔の子は止まらなかったが、今は止まる子が多い。 ノートはきれいに書いているのに、成績は振るわないのはこのためかと思う。
■ ノートの本当の役割と「振り返り」の魔法 授業を受けたら宿題はもれなくついてくるのだが、宿題より優先してやるべきは、「授業の振り返り」である。 人間の記憶の仕方を考えれば、これがどれほど有効で「時短」になるかがわかる。 授業でしっかり聞いても、日が経てば記憶は薄れていく。 記憶が色あせる前に「振り返り」をすると、一週間経ってから宿題をするよりもはるかに短い時間ですませることができる。
が、これをやる子は少ない。 宿題は提出期限の前日にやることが定着していく。つまり一週間後。 これではもう短期記憶から抜け落ちているのだ。 すると、「ノートってなんなのか?」ということになる。
■ 書き込み式プリントへの疑問と、根本的な解決策 学校の先生が「穴埋め・書き込み式の授業ノート」を多用するのはこれが原因かと私は思っている。 一から書かせると時間がかかる。あとで見返せるようにすることと、親へのアピールもこれでOKである。 だが、本当にOKだろうか。 私はもろ手を挙げて賛成はできない。 なぜならこの書き込み式ノートを使っていると、いつまでたっても「ノートを取る」のがうまくならないからだ。
一番良いのは講義のしゃべりに、メモの速さが付いていけることだ。 同じ子供なのに、どうしてこうも違うのか…。 やはり小さい頃から字を読むということと、字を書くということが「上達していない」からではないかと私は考えている。
じゃあ、なぜ、そんなことが起こっているのだろう? これは、ご家庭がその実態に気が付き、かつ危機感を持ち、「改善しなければ!」という強い気持ちがないと治らないものだと思っている。
当たり前だが、前提条件として、鉛筆の持ち方とか、字を書く時の利き手と反対の手の使い方などの超基本的な所作。 まずはここが、しっかりとできていなければならないと思うのである。
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